遺言書にはどのくらい効力があるか
遺言書を作成しておくと、ご自身の希望に沿った相続をすることができ、相続人の間でトラブルが発生することを防ぐことができます。
しかし、全ての文言が必ず法的な効力をもつとは限りません。遺言書にはどのくらいの効力があるのでしょうか。
■遺言書に記載して効力が発生する事項
遺言書に書いて法的に有効となる事項は、「法定遺言事項」といいます。
たとえば、以下のようなものがあります。
①財産に関する遺言事項
・相続分の指定・指定の委託
・遺産分割方法の指定・指定の受託
・5年を超えない期間での遺産分割の禁止
・特別受益の持戻し免除
・遺贈
・遺留分侵害額負担割合の指定
・生命保険受取人の変更
②身分関係に関する事項
・遺言認知
・未成年後見人の指定・未成年後見監督人の指定
③遺言執行に関する事項
遺言者の指定
ただし、法定遺言事項以外が記載されているからといって、遺言書が無効になることはありません。法定遺言事項以外の記載事項を「付言事項」といいます。
たとえば、埋葬方法や墓地の場所の希望を遺言書に書いていれば、法的効果はなくても、相続人が希望通りにしてくれる可能性があります。
また、遺言によって法定相続分よりも少ない取り分しか得られない扱いを受けた相続人に対して少なくした理由や思いなどを記載したり、家族への感謝の気持ちを書いたりすることで、相続人同士が争うことを防ぐことができます。
■遺留分への配慮
一定の法定相続人には、相続財産の最低割合(遺留分)が決まっています。
遺言等で遺留分を侵害される不公平な扱いを受けてしまった相続人は、「遺留分侵害額請求」といって、他の相続人に、遺留分の金額を請求することができます。
遺留分がある相続人は、配偶者、子またはその代襲相続人、直系尊属(父母等)です。
その意味では、遺言書に一人だけに全ての財産を贈与する旨を記載しても、作成者の思い通りには相続できない可能性があります。
遺留分を侵害する遺言であっても、遺言書全文がただちに無効になるわけではありませんが、遺留分侵害額請求がトラブルに発展するおそれがあるため、遺留分に配慮した遺言書を作成することが望ましいといえます。
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代表司法書士香西 優(こうざい ゆう)
- 経歴
-
警察職員として某都道府県警察にて拝命、3年間在籍。その後、一年発起して司法書士資格取得のための勉強に励む。
3回目の試験で合格した後、東大阪の某司法書士事務所にて実務経験を積む。
業務の合間に顧客獲得のための営業活動も行う。
2017年1月香西司法書士事務所を開所。現在に至る。
- 所属団体
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大阪司法書士会所属 第4493号
簡裁訴訟代理 認定番号1512097号
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所属司法書士 | 香西 優(こうざい ゆう) |
所在地 | 〒542-0081 大阪市中央区南船場 |
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